無題

さっきまでhitodeくんとのんでいて、この時間です。日曜日はブログの日と決めて居てもたいへんだ。きょうは朝の九時から烏丸御池の会社に居たのになんにも捗つて居ない。ブックマーク会のハンドアウトを作つたら次のスライドを作り、其の次にブログを書いて夕方には帰ろうと思つてゐたけれど、なんにも捗つて居ない。

きのうの午后は花ももに居た。そうしたらCTOのしんじさん御夫妻がやつて来た。しんじさんの奥様はきれいな人だつた。instagramを撮ろうとしたら顔を隠された。店の主人と同じ松本の御出身だつた。松本の人にだけ通じる学区のはなしが飛び交つた。寺町通のスニーカー屋へいつて京都のクラブに就いて教えてもらつた。ビリーというクラブがいいというはなし。綾小路通をふらふらと歩いて家のホットカーペットをつけた。

ああ、hitodeくんの買つてきたピルスナァを四、五本ものんで又花ももへいつたよ。かれは蕎麦アレルギィなんだね、すみません。熱燗を二合ものんで鴨ロースを食べたよ。其れからあれは…何通りだつけいつも忘れてしまいますが、ベトナム料理屋へいきました。これからブログを書かなくちゃとぼくはずっと言つていた。hitodeくんが歌舞伎のはなしはもうしないんですか、というから、朧月の南座の話を書いてしまおうっと。

だれか興味の有る人がいるか、知りませんが。

第一 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
    同    二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場

早野勘平 仁左衛門
女房おかる 時蔵
斧定九郎 橋之助
千崎弥五郎 愛之助
母おかや 竹三郎
一文字屋お才 秀太郎
不破数右衛門 左團次


第二 六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)

勘太郎改め勘九郎
幹部俳優出演


第三 新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)

静御前/新中納言平知盛の霊 勘太郎改め勘九郎
武蔵坊弁慶 團十郎
舟子岩作 扇雀
同 浪蔵 七之助
亀井六郎 男女蔵
片岡八郎 壱太郎
伊勢三郎 新悟
駿河次郎 薪車
舟長三保太夫 左團次
源義経 藤十郎


第四 関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)

稲川内より角力場まで

稲川次郎吉 翫雀
女房おとわ 孝太郎
北野屋七兵衛 薪車
鉄ヶ嶽陀多右衛門 橋之助

ぼくはド素人です。いつも妹にメールする様に感想を書くだけで自分の記録も兼ねて書くので、自分の見方に得意になつて居ると思つてもらったら困る。

この演目と配役、ぼくは橋之助がポイントになると思つてゐた。

おわかりいただけるだろうか。この演目と配役、橋之助がポイントなのだ。なぜか。まず言わずと知れた斧定九郎をかれが演じる。これはやつぱりポイントでしょ。どうだろう。それともあれかい、歌舞伎を四十年も観ている玄人とやらは今更斧定九郎の役者がだれとかは高をくくつて観るんですかね。ぼくはちがうなー。

斧定九郎はおもしろい役だ。いままで幾人かの斧定九郎を観てきた。いちばん素晴らしかつたのは意外にも(?)梅玉である。梅玉の斧定九郎は最高だ。これは上手く説明できない。とにかく枯れている方がいい。みなぎっていては悪党にならない。其の証拠にいちばん最悪な斧定九郎がだれだったか教えてあげようか。獅童である。中村獅童の斧定九郎、ぼくは心から愉しみにしていったんだけど、ちょっと違う。ぜんぜんちがう!

太股がたくまし過ぎる。力が入り過ぎている。力がみなぎっていたら悪党じゃないのだ。獅童では若過ぎる。いや、どうだろう。なにが梅玉とちがうんだろう。ぼくにはわからない。獅童自身は嫌いな役者ではない。一心太助がどれだけ最高だつたか!あの、亀治郎と演じた若夫婦が、どれだけエネルギッシュでエロチックだつたか!

橋之助がポイントに成る理由をもう一つ。第四幕、翫雀と孝太郎を軸にした芝居が夜の部の〆になる。上方の中軸で〆ようという松竹の意図が伺へる。ここに絡む東の歌舞伎役者が、橋之助なのだ。橋之助が翫雀と孝太郎と並んでどう見えるのかが、観劇後の味に影響する。私見を言うならば、橋之助が食ってしまった。翫雀と孝太郎の小粒さが際立った。勿論、悪くはない。翫雀は情感たつぷりだつたし、孝太郎の女房は甲斐甲斐しかった。けれども、薄い。重量感が無い。西の歌舞伎は薄いのがいいのかしらん。

西の歌舞伎といへば一文字屋お才の秀太郎はよかったですねぇ。秀太郎の鼻水を啜るやうな関西弁はだれにも真似できないねぇ。無論、坂田藤十郎がいますけれど。祇園で観ていて祇園の一文字屋の女将がでてくるというのは、南座で歌舞伎を観るだいごみでした。よかったんじゃないかな。うん、よかった、よかった。だけどなぁ…

なんかスカッとしないんだよなぁ…

ぼくがいま、いちばん観たい歌舞伎役者はだれだろうと考へる。

それは、團蔵である。

團蔵が観たい。

この、うだうだと生温い京都の横っ面をひっぱったいてやるとすれば、團蔵を置いて他に居ない。菊五郎がでるまでも無い。團蔵が生きる黙阿弥の登場人物を見てみなよ。なんにしたつて気風が良くて、鯔背で、後悔するって事を知らなくて…。ぼくは好きだなー。團蔵は團蔵が、ぼくの人生をどれだけ勇気づけているかという事を、知っているだろうか。ぼくは歌舞伎を観ていると、ときどきそういう気持になる。團蔵は團蔵がぼくをブーストしている事を、ちゃんと知って居るはずだ。團蔵を尊敬している。團蔵が好きだ。

勘九郎は、襲名披露で松羽目物をやったが、そういう歌舞伎役者ではない。勘三郎と勘九郎の髪結新三を平成中村座で観ておいてよかった。松羽目物は退屈だけれど、ぼくの乏しい経験でいへば、勘三郎がでている松羽目物は愉しかった。かれは松羽目物でも愉しませてくれた。ふと想い出して、たいして好きでもなかったのに、涙が頬を伝った。