皿盛

火曜日のランチは食べないつもりで歩きだした。カーディガンで十分であった。三条の橋を渡ったところで「しのだや」の看板が目についた。古い中華風の定食やであった。私は通り過ぎてから引き返し、ランチをたべることにした。硝子戸をくぐると小さい暗い店であった。メニューはよく覚えていないけど、カツ丼はあったと思う。こういう初めての店で大事なのは、コックさんの主張を読みとることだろう。うちはこういう店ですよー、これを食べてくださいねー、とサインを送っているから、それを感じればよろしい。

「皿盛」にピンと来た。だいたい皿に盛るのに「皿盛」とだけあるのは、京都人のおちょくり心がるんるん匂う。皿に盛るだけですわぁーといって、聞いても説明してくれない気がする。と、うしろの人が「皿盛の大盛、葱ぬいてもらおかぁー」と注文したので、皿盛はやはり主力であること、皿盛はデフォルトで葱が入っていることが確定した。私は「さら↑もり↓ください」と注文した。そして空想した。最初、長崎的なイミで「皿うどん」かな、と考えた。「かた焼きそば」が出てくるのかな、と。そんな風に予想した。

壁の写真を眺め、熱い麦茶を飲んでいたら、白い皿に盛られた「皿盛」が運ばれてきました。さらもりは、うーんなんていうか、まず皿うどんではない。ぜんぜんちがう。ごはんが盛られています。カレーライスみたいな感じで、カレーじゃない。カレー風味の餡かけになっていて、具は葱だけなのです。だからうしろの人は、葱入り餡掛けごはんの葱抜きという、思想的なメニューを注文していたのです。ごはんの上に、揚げた豚肉も添えられているから、おかずがない訳じゃ、ないんだけどね。おいしかったよ、皿盛。

さらもり〜