子規ぽよ 7〈紅梅〉

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紅梅はまばら也けり窓の影

こうばいはまばらなりけりまどのかげ

ハロー。梅は白梅と紅梅があり、それぞれ趣がちがう。白梅には早春の冷やかさと気品、紅梅にはあたたかさ、あでやかで艶な感じだって。言うの忘れてたけど、こういうことは歳時記に書いてあります。歳時記とは、季語を寄せ集めたディクショナリーです。俳句に興味のある人はもちろん、言葉が好きな人は一冊あるとたのしいです。

合本現代俳句歳時記

合本現代俳句歳時記

一つ一つの季語が内蔵している世界観を、いままでにその季語を使った俳句のデータベースとともに共有する本です。これがないと、どれだけ華麗な詩を作ったとしても、時間の流れの中で孤立してしまうのです。俳句は、自分の感じたことを表現するアートではないです。俳句は、自然と伝統に感性をチューニングする言葉遊びです。

紅梅の二月は恋の鹿子哉

こうばいのにがつはこいのかのこかな

これ好き。もう、読み解かなくても字と音がうきうきしてていい。紅梅、二月、恋、鹿の子、は日本語のナチュラルなコンボなので、なにも言わなくていい。こういうのが好き。子規ぽよには、こういう句をもっと作ってほしい。鹿の子っていうのは、かのこで、鹿の子供ですね。鹿の子の模様から、着物の柄を表している。

恋、鹿の子、というと、娘道成寺が思い浮かぶ。歌舞伎の演目で、紅い着物の女形が恋についての踊りを踊りまくる。「恋の鹿の子」にはたぶん、この演目のイメージもあるだろう。だけど、だからといってたいそうな意味はなくて、二月の梅、恋する乙女とあでやかな着物、という幸福なシグナルしかない。こいのかのこ。

君や来ると紅梅一枝門にさす

きみやくるとこうばいいっしもんにさす

紅梅ってぽっ///としてるから、恋にぴったりなのかな。君が来てくれる日は、紅梅の枝を一つ、門に挿しておくよって。こういうこといって口説いてたのかな?


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illust. Satoshi Murata