子規ぽよ 12〈土筆〉

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ふむまいそ小道にすみれつくつくし

ふむまいぞこみちにすみれつくづくし

小道のすみれの花と土筆を踏みたくない。子規、二二才の句。土筆はつくづくし、つくしんぼ、筆の花、土筆野、土筆摘む、といったバリエーションで使える。つくつくし、という字面が気分いい。春の味覚としておいしいらしいけど、食べたことないな。

つくつくしゆるしてくれよ杖のとが

つくづくしゆるしてくれよつえのとが

小道のつくしを杖で折ってしまった、ゆるしてくれよ。子規、二四才の句。かれにとっては「つくづくし=踏みたくないもの」なんだろう。春が来て土筆を主題に詠もうとする度に「踏みたくない」という気分になるんだろう。ゆるしてくれよっていいな。

ふむまいとよけた方にもつくつくし

ふむまいとよけたほうにもつくづくし

小道のつくづくしを踏みたくなくて、よけたらそっちにもつくづくしがあった。子規、これも二四才の句。どれだけ踏みたくないの。どれだけ土筆生えてるの。そんな土筆だらけのスポット、ぼくの住処にはないけどなー。土筆を見た記憶もあいまいだよ。

土筆煮て飯くふ夜の台所

つくしにてめしくうよるのだいどころ

春の夜の台所ってたまらない。土筆を煮てくったことはないけど、この文字の並びだけで自分の中に再生してくる風景がある。つつましくて幼くて静かな青春の風景。

一つ長く一つ短しつくづくし

ひとつながくひとつみじかしつくづくし

一つくらい写生句らしい文法のつくづくしも入れておこう。春はまだかな。


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illust. Satoshi Murata