村上さんのところ

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村上春樹さんがメールの質問に答えてくれるサイト「村上さんのところ」が、もうすぐ終了します。たのしみにしていた人も多いと思いますが、じつはこのサイト、はてなブログで作られているのです。村上春樹さんのページとちるぽよブログは、同じサービスで作られているのです。すごいでしょう。ここ一〇年というレベルで類例のない、すばらしいサイトでした。ぼくは全部の質問は読まず、よく選んで読んでいた。いつも思い浮かんだのは、「村上さんのところ」は、夏目漱石の書簡集と読み味が似ているってこと。

漱石書簡集 (岩波文庫)

漱石書簡集 (岩波文庫)

それは、メールと書簡だから、同じといえば同じだろうが、ちがうといえばちがう。なんだか似ているなと思っていた。一番ちがうのは、「漱石書簡集」は紙の本で、「村上さんのところ」はウェブページだということ。インターネットでも夏目漱石の書簡集を読んでいるような気分になれるんだ、というのが感動的だった。これ以上は、もっと言おうとすると、ちょっと言い尽くせない。村上さんの言葉を幾つも書き出してあるから、じっと胸に溜めておこうと思う。一つ一つの感想を打ち明けていたら、泣いてしまうと思う。

もう一つ、「村上さんのところ」の、デザイン。この端正さと色彩。挑発的なまでに抑制されているのに、どこか微温と優しさを感じさせる、色彩がいい。これが、種村さん。はてなのアートディレクター。毎日彼のデザインを見ていた。ぼくにとっては「村上さんのところ」であり「種村さんのところ」だった。じつは、二人でぼそっと「本がダサかったらどうしよう笑」なんて話していたんですが、いい感じじゃないでしょうか。(さすが新潮社装幀室)ということで、ぼくはたぶん、このタイミングで、はてなにいられて幸せ。