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ハロー風景 お湯

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お久しぶりです。
ハロー風景 お湯 をお届けにあがりました。

今回は「ポパイ」「暮らしの手帖」などで活躍する写真家の阿部健さんと、大分の別府と日田へ遊び、うるおっている風景を俳句と写真に収めました。十二月の初めにやすろう君と阿部さんと三人で飲んで、別府へ行ったら本になるかもしれない、と気づきました。それから十日後に阿部さんと大分県へ行き、すばらしい三日間を過ごしました。けれども、あがってきた写真に阿部さんは納得できず、一人でもう一度、大分へ行きました。ぼくも最初の旅行のあとに書いていた文章が、ハロー風景の形式には合わないことに気がつき、ほとんどすべて書き直すことになりました。

ぼくと阿部さんとデザイナーの村田智くんは、「お湯」という本がどうあるべきか、最初から最後まで完璧に分かっていました。けれども、刷り上がったものを見ると、自分たちがどういうものを作ったのか、まるで分からないのです。これが同人誌のおもしろさで、怖さです。自由だからこそひらけているし、怖いんです。ぼくは前の本を売ってくれた本屋さんにメールして、「お湯」を一冊ずつ送って、見てもらっています。よかったら棚に並べてください、とお願いしています。この「お湯」が、どういう本なのかを決めるのは、結局、町の本屋さんです。それも、小さい、こういう出版物を出版物とみとめてくれる人たちです。ぼくたちみたいな作家と町の本屋さんの繋がりは、絆です。

ぼくたちは、こういう本があったらいいと思って作っているだけです。そういう本があっていいよ、と言ってくれるのは、本屋さんです。だから、そういう本屋さんが世の中にある、というだけで、本当に救われます。吉祥寺の「百年」の早水さんは、新しい本が出るという知らせだけで喜んでくれました。見本誌も見ていないのに、すぐに注文をくれました。鎌倉の「ウサギノフクシュウ」の小栗さん、徳島の「uta no tane」の森さん、広島の「リーダンディート」の清政さんがすぐに返信をくれたことで、どれだけ勇気づけられたか。つくばの「PEOPLE」の植田さん、ありがとうございます。冊数が少なくて心苦しいだなんて。そんなことありえない。名古屋の「ON READING」の黒田さん。一度ご挨拶に伺わなくては。最初に感想を聞かせてくれたのは、下北沢「B&B」の木村綾子さんです。なにを作ったのか分からない時に、木村さんがこの本を褒めてくれました。ご近所の「ユトレヒト」の黒木さん、ミヤギフトシさん。いつもありがとう。

圧巻だったのは、ぶっ飛ばされたのは、誠光社の堀部篤史さんです。本が届いたその日にメールをくれて、「たしかに潤いを感じる一冊です」って。いただいた注文の数は、はじまったばかりの小さいお店としては、考えられない冊数です。本当、涙がでました。しっかりやらなくては。じつは、昨日、ちょうど本屋さんからのお返事が届きはじめたころ、阿部さんと二人で国立劇場の「濱ゆう」で打ち上げしてたんです。雨が降ってて、劇場の前庭が濡れそぼっているのをみてて、二人で「お湯」をしげしげと眺めて、ふと電話をみると、本屋さんからメールが届いてる、そんな土曜日の午後を過ごしました。この雰囲気が「お湯」がある世界なんだ、とようやく理解しはじめました。めちゃくちゃ気持ちいいです。「お湯」がぼくたちの周りを少し変えたんです。そういうことが、できるんです。

木曜日に内沼晋太郎くんとも話したけど、ブログとリトルプレスは同じです。プロになれなくても、メジャーのレーベルにみとめられなくても、だれでもなにかを表現していいんです。それは、インターネットでも紙でも同じことです。あえてちがいを言うなら、まだ経験したことのない人に伝えたいのは、紙の本は、あなたの周りの世界をじわじわ変えます。紙の本は現実に浸透していきます。風景の見え方がちがっていきます。人と出会わせてくれます。今年はなぜか大荒れで、予想外のことが起きたり、いやな目にもあってるけど、とにかくこうしてたどり着きました。ぼくがどんな人間であれ、くずであれ、そんなこと関係なく「お湯」は存在しています。本屋さんが「お湯」を迎えてくれます。それで十分です。幸せです。さあ行こう。

ハロー風景

(あ、Amazonでも買えますw)