Search Result: 子規ぽよ

子規ぽよ 15〈葡萄酒〉

ビール苦く葡萄酒渋し薔薇の花 びーるにがくぶどうしゅしぶしばらのはなビールが苦くて葡萄酒は渋い。子どもですか。これ、句になってないよね。どうして薔薇の花があるのか、配置の説得力に欠けますね。だけど、ビールの瓶とワインの瓶と薔薇の花をイメージすると、何となく退廃的で装飾的の気分がありますね。ようするに、俳句はそれでいいんだろう。あれこれ人に言われる筋合いはないんだよ。薔薇は夏。 葡萄酒の徳利にいけん杜若 ぶどうしゅのとくりにいけんかきつばたこちらの句の方が情景を説明している。ぶ…

子規ぽよ 14〈小娘〉

小娘のからかささすやちる桜 こむすめのからかささすやちるさくら小娘、という文字が目についた。もちろん、季語ではない。大辞泉によると、一四、五才の女子とのこと。現代の気分では二四、五才まで小娘なのかもしれない。その小娘が傘を差している。花びらが舞っている。そのままシルエットが浮かんでくる。そういえば土曜日、ラフォーレ原宿へ久しぶりに行ったら、小娘ばかりだった。 小娘ののぞきこんだる団扇かな こむすめののぞきこんだるうちわかな団扇の絵をしげしげと眺めている小娘。ロマンチックな挿し…

子規ぽよ 13〈花見〉

…いかよ。なんなの。女子の気分でちょろっと作ってみたの。そういうのいいよ。 すさましや花見戻りの下駄の音 すさましやはなみもどりのげたのおとうん。このくらいでいいんじゃない。美や宴そのものじゃなくて、その周りにあるものを斜めから見る、ていう。このへんがデフォルトだと思います。こういう風に句と対話していると、本当に子規ぽよと会話しているみたいでおもしろい。骸骨になって花見。 正岡子規の俳句検索/俳句、短歌ご愛好家の皆様へ|子規記念博物館illust. Satoshi Murata

子規ぽよ 12〈土筆〉

ふむまいそ小道にすみれつくつくし ふむまいぞこみちにすみれつくづくし小道のすみれの花と土筆を踏みたくない。子規、二二才の句。土筆はつくづくし、つくしんぼ、筆の花、土筆野、土筆摘む、といったバリエーションで使える。つくつくし、という字面が気分いい。春の味覚としておいしいらしいけど、食べたことないな。 つくつくしゆるしてくれよ杖のとが つくづくしゆるしてくれよつえのとが小道のつくしを杖で折ってしまった、ゆるしてくれよ。子規、二四才の句。かれにとっては「つくづくし=踏みたくないもの…

子規ぽよ 11〈萍〉

萍やその日の無事に水まかせ うきくさやそのひのぶじにみずまかせじゃん。今回もいいのを見つけました。萍(うきくさ)です。浮き草。萍。この漢字も、のんびりしている雰囲気でいいですね。この句はなんにも考えなくていいですね。水にまかせて、ぷかぷか浮かんで無事に暮らせたらいいよね。 萍に乗てながるゝ小海老哉 うきくさにのりてながるるこえびかなどうですか、みなさん。浮き草に小エビが乗ってながれてるんですよ?もうなにもいらないでしょう。なごむ。落ち着く。小エビ、安心してると思う。すいーって…

子規ぽよ 10〈虎〉

虎といふ仇名の猫ぞ恋の邪魔 とらというあだなのねこぞこいのじゃま文楽の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」に虎がでていた。さすがに俳句に「虎」はないかと思って検索してみたら、けっこうでてきた。これはその中でも戯画っぽい、おもしろいもの。季語はどれ、と思いますが「猫の恋」みたい。交尾したくて奇声をあげる猫は、春の季題。〈ハロー風景〉にも書きました。虎と猫が並ぶのがおもしろい。 大磯のはれてをかしや虎が雨 おおいそのはれておかしやとらがあめ「大磯の虎」を知らないと、何のことか分か…

子規ぽよ 9〈写真〉

…たのは明治三六年で、子規ぽよは前年に亡くなっている。 写真取る桜がもとの小女郎哉 しゃしんとるさくらがもとのこめろかな「小女郎」は音をあわせて「こめろ」と読んでみた。「こじょろう」でもいいみたいですが。幼女?少女?が桜の木の下で、写真を撮っているか撮られている。チェリーカメラはまだ発売されていない。ていうか、チェリーも「桜」だね。おもしろいと思いませんか。なんだろう、どうして明治の人は「桜と写真」が近づくんだろう。 花の歌添へし吉野の写真哉 はなのうたそえしよしののしゃしんか…

子規ぽよ 8〈栞〉

折られたる菖を原の栞哉 おられたるあやめをはらのしおりかな本のある風景の話がしたくて「栞」と検索すると、「栞」の子規の句は三つしかなく、本のある風景は一つもない。上の句を読んでみると「折られたあやめの花を野原のしおりとしました」といったところで、野遊びの目印を本の栞になぞらえたのかと思っていた。ところがウィキペディアで見ると、しおりは「枝折り」で、山道で迷わないよう枝を折ったのに由来するんだってさ。本の方があとから生まれたって話。ぼくはブックマークチームだけど、こういう役に立…

子規ぽよ 7〈紅梅〉

…。こういうのが好き。子規ぽよには、こういう句をもっと作ってほしい。鹿の子っていうのは、かのこで、鹿の子供ですね。鹿の子の模様から、着物の柄を表している。恋、鹿の子、というと、娘道成寺が思い浮かぶ。歌舞伎の演目で、紅い着物の女形が恋についての踊りを踊りまくる。「恋の鹿の子」にはたぶん、この演目のイメージもあるだろう。だけど、だからといってたいそうな意味はなくて、二月の梅、恋する乙女とあでやかな着物、という幸福なシグナルしかない。こいのかのこ。 君や来ると紅梅一枝門にさす きみや…

子規ぽよ 6〈饂飩〉

蕎麥はあれど夜寒の饂飩きこしめせ そばはあれどよさむのうどんきこしめせうどんというのは詩にならないというか、とくに東京では粋じゃないってんで不人気みたいです。俳句でも余り見かけない気がするし、子規が饂飩を詠んだのも此の一句だけみたい。なにかと蕎麦と比べられるのが饂飩の宿命で、たった一つの此の句でも、蕎麦といっしょに登場している。どういう詩だろう。夜寒というのは秋の季語で、昼は暖かいのに、夜になると寒さが忍び寄る。そういうグラデーションを含んでいる言葉らしくて、味のある季語だと…

子規ぽよ 5〈電気燈〉

…規が十一才の年です。子規ぽよは慶応三年生まれで、慶応は四年しかない。これ豆知識というか、史実です。この俳句はうつくしい句で、こういう俳句はなかなか作れないだろう。 若葉道曲り曲りの電気燈 わかばみちまがりまがりのでんきとう若葉は初夏の季語だって。みずみずしい若葉の道の曲がり角ごとに電気燈、ということかな。こういう簡単に見える俳句ほど、読み方を間違ってたりするんだよね。合ってるかなあ。そういえば、ご婦人から「読み方が書いてあるのがうれしい」というお便りがありました。よかったです…

子規ぽよ 4〈いちご〉

順礼の道はかどらぬいちご哉 じゅんれいのみちはかどらぬいちごかな四国のお遍路か、近所の山のお寺へ参るのか、巡礼の道端にいちごが生っていて、(ついつまみ食いしちゃうので)なかなか先へ進まない、というかわいいったらありゃしない句でしょうか。いちごは夏の季語だそうです。いまは季節感ないなー。 旅人の岨はひあがるいちご哉 たびびとのそばはいあがるいちごかな「岨」は「そば」あるいは「そわ」と読んで山の崖など険しい道を指すようです。このマニアックな文字を使った苗字の人に昔、お世話になった…

女正月の気分

おつかれさんです。〈子規ぽよ〉でお騒がせしてごめんなさい。あたらしい企画がうれしくて、絵を描いている村田くんとはしゃいでいます。更新ペースについてご意見を下さった人、ありがとうございました。もう少しゆったりでもいいですね。毎日やるなら、一句でもいいかもしれませんね。気の向いた時でもいいですね。ぼくと村田くんにとっては、やればやっただけ勉強になるので、どんどん進めたい気分もあるんですが、一句一句、みんなで玩味しながら〈子規ぽよ〉したいですね。そうしたら、週に一回くらいでもいいで…

子規ぽよ 3〈匙〉

一匙のアイスクリムや蘇る ひとさじのあいすくりむやよみがえるきた、これ。これなんですよ、ぼくがもとめてるのは。アイスクリム。わかるでしょう。初々しいでしょう。まだ、呼び方が安定してないかんじ。なに食べてるの、知らないの、アイスクリムだよ、みたいな。蘇るは、二つありますよね。体がよみがえるのか、味がよみがえるのか。ぼくは、後者がいいと思う。おいしかったなあ、またたべたいなあ、アイスクリム。ていう俳句だったら、かわいくないですか。 正岡子規の俳句検索/俳句、短歌ご愛好家の皆様へ|…

子規ぽよ 2〈東京〉

東京と江戸も變りて君か春 とうきょうとえどもかわりてきみがはる東京という名前になったよ、めでたいね、という句。東京と江戸がひとつの句にあるのがうれしい。明治時代の好きな人間には、ごほうびといえる。「君か春」は新年の季語で、旧仮名遣いかな。「君が春」と濁って読むんでしょう。これが詠まれたのは、東京が首都になった年よりずっとあと。 東京に世渡りやすき胡瓜哉 とうきょうによわたりやすききゅうりかな東京でやっていけそうだ、と作者が思っているのかな。二十六才の句。世渡りとか、口にしがち…

子規ぽよ 1〈手紙〉

手紙もつ人はたちまちかすみ哉 てがみもつひとはたちまちかすみかなロマンチックな俳句かな。かすみは春の季語。霞が関のかすみですね。手紙をもっている人がすぐに霞の中へ消えてしまった。届けに行ったのか。ポストまで歩いていったのか。あるいは桜の木の下で待ちぼうけしているのか。なんだか幻っぽい。ちゃんと届いていないかも。 蒲団著て手紙書く也春の風邪 ふとんきててがみかくなりはるのかぜふつうの俳句かな。春って風邪引きやすいし、引くとなんだか間抜けなんだよ。ぽかぽかしてるのに、なんで鼻水た…

新コーナーのお知らせ

…な子規のコーナー、〈子規ぽよ〉をはじめることにしました。コーナーというか、筋トレみたいなものですけれど。選択と些細な感覚にこだわることの練習。どうして正岡子規かというと、前にも紹介しましたが、子規の俳句は、全文検索ができるんです。これがとっても大事なことで。今いろいろ見直してみたら、三十四年の生涯か。クズだな、おれなんて。子規さん、遊ばせてもらうね。いつもありがとう。ことしも道後温泉いくからね。去年いってないけど(笑)。ことしはいくね。いい加減だし、間違いだらけだと思うけど、…